2020-01-01から1年間の記事一覧

「旗師・冬狐堂 一 狐罠」北森鴻

私に好きな漫画を5作挙げろ、と言ったらいついかなるときも必ず挙げる作品にギャラリーフェイクがある。どれくらい好きかというとアニメ放送でハマって以来コンビニ版コミックを一度購入して読み込んだのにも関わらず香川に引っ越した際にもう一回コンビニで…

「紅蓮館の殺人」阿津川辰海

高校の同級生であり、探偵と助手の関係性にある葛城と田所は学校の勉強合宿の会場近くのとある屋敷を目指して宿を抜け出した。そこは彼らの憧れの推理小説の巨匠である財田雄山の別荘、通称・落日館であった。しかし、館を目指す登山中、落雷により山火事が…

「楽園とは探偵の不在なり」斜線堂有紀

5年前のある日を境に天使と呼ばれるようになった不気味な存在が出現した世界。天使はたったひとつのルールで人間たちの世界を縛ってしまった。 「2人以上の人間を殺した人間は天使によって地獄に堕とされる」 新しいルールによって戦争や大規模な犯罪が瞬く…

「冬雷」遠田潤子

うんざりするくらい長々しいこの自粛期間が明けたものの、思い返せば時間があった割にあまり本を読んでいなかった。張り切って買ったハードカバーが大外れだったり、何冊かの短編集をちまちま浮気しながら読んでみたりとあまり心動かされるような一冊が手元…

「仮名手本殺人事件」稲羽白菟

この読んだ本の感想をブログにあげるようになって1本目の感想が本作の前作にあたるの合邦の密室であったが、そのときわざわざブログを読んでコメントまでしてくださったのがその作者の稲羽先生であった。その後、何度かツイッター上でお話させていただくうち…

「1793」ニクラス・ナット・オ・ダーグ

1789年、フランス革命の勃発により、ヨーロッパの王政は揺らいでいた。絶対王政を敷いていたスウェーデン国王グスタフ3世は1792年、押さえつけていた貴族たちの手によって暗殺されてしまう。この物語はその一年後、ストックホルムにおいて幕が上がる。 街の…