2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「『アリス・ミラー城』殺人事件」 北山猛邦

騙された。本ッッッ当に気持ちよく騙されたッッッ!なんでこんな面白い本を2年近く積ん読にしてたのか!自分をぶん殴りたい! 本作の作者は北山猛邦。西尾維新や佐藤友哉と同時期に『クロック城』殺人事件でメフィスト賞を受賞し、ファウストなどで活躍した…

「ピアノ・ソナタ」S.J.ローザン

ABC(American born Chinese:アメリカ生まれの中国人)の女探偵リディア・チンとアイルランド系の中年探偵ビル・スミスの私立探偵コンビがニューヨークで起きる事件を捜査するシリーズの第2作。本シリーズの特徴は一作ごとに物語の語り手がリディアとビルの…

「私が殺した少女」原尞

この度、14年ぶりの新作、それまでの明日が発売されたことが話題となっていたので始めて手に取った原尞だが目を剥くくらい面白く毎晩ページをめくる手が止まらなくなってしまった。和製ハードボイルドとか和製チャンドラーなんて言われる作家の中で僕が一番…

「探偵AIのリアル・ディープラーニング」早坂吝

人工知能が人間とバディを組む作品は数多あり、いい感じの作品を列挙しようにもこれもあるー、あれってそうだったけー?とフロッピーディスクにすら劣る記憶容量しかない自分なんかザルのように零れ落ちてしまう有様だ。そんな一大ジャンルと化した人工知能…

「二都物語」チャールズ・ディケンズ

べにはこべを読み終わって、フランス革命への興味がむくむくと湧いてきたのでなんかないかなー、と探してたら書店で見つけたから購入。そういやノーランのダークナイト・ライジングもこれの影響を受けているとどこかで読んだ記憶があった。しかし、名作文学…

「べにはこべ」バロネス・オルツィ

バロネス・オルツィと言えば安楽椅子探偵の先駆けである隅の老人の作者であり、綾辻行人の十角館の殺人の登場人物でミス研メンバーの気弱な女性オルツィのイメージからミステリ作家だというイメージが強く、このべにはこべもドイルにおける失われた世界とか…

「うまや怪談」「三題噺 示現流幽霊」愛川晶

最前の記事でこの作品について触れたのでこの感想を再掲することにする。 二つ目の才能溢れる落語家・寿笑亭福の助とその妻・亮子、そして福の助の師匠で安楽椅子探偵の山桜亭馬春が落語界で起こる事件を落語をもって解決する落語ミステリーこと神田紅梅亭寄…

「合邦の密室」稲葉白菟

島田荘司が故郷の広島県福山で優れた本格ミステリ作品を賞する地方文学賞・ばらのまち福山ミステリー文学賞の第9回新人賞準優秀賞作品である。 「お母さんはわたしに毒を飲ませました」 大阪府からの助成金カットの沙汰に揺れる文楽芸術協会。大阪文楽劇場で…

友人に捧ぐ

日々、大学のサークル仲間と読書の感想をラインで送りあったりしている。 わたしとしてはそれでも十分楽しいのだが、友人の1人が「ブログでも書いてみたら?」と勧めてくれたので少し調子に乗ってみようかとこのブログを始めてみることにする。 しばらくはラ…