2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「帝都探偵大戦」芦辺拓

「いいか、おれたちをここまで連れてきたものーー」 「お前たちが捕まえられるきっかけとなったものーー」 「誰にも知られることなく、見られなかった悪事をーー」 「白日の下にさらけ出し、裁きにかけるに至ったものーー」 「貴様らには未知であろう、その…

「そして五人がいなくなる」はやみねかおる

自分が人生で一番最初に読んだミステリ、一番最初に出会った名探偵が誰か、あなたは覚えているだろうか。江戸川乱歩の明智小五郎か、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズかアガサ・クリスティのエルキュール・ポワロか。青山剛昌の江戸川コナンや天樹征…

「キッド・ピストルズの冒瀆 パンク=マザーグースの事件簿」山口雅也

山口雅也は私にとって他に変え難い特別な作家の一人である。彼のデビュー作である生ける屍の死は、死んだ人間が生き返る世界という死人に口なし、故に謎有り、という殺人事件の大前提を高らかに蹴っ飛ばした怪作であり快作であった。その衝撃はミステリを読…

「王とサーカス」米澤穂信

ナラヤンヒティ王宮殺害事件。2001年、ネパールの王宮にて王太子ディペンドラが国王ビレンドラを含む9人の王族を射殺し、自らも自殺した事件。この衝撃的なニュースによって世界各国から注目され、国民に激震が走り悲しみの底に落ちていたカトマンズにフリー…